革と響きが生みだすチカラ
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100年前のフライ用リールケース修理に挑戦
2007年08月29日 (水) 16:30 * 編集
hardy1.jpg


先週、ちょっと面白い修理の依頼を受けました。
なんと100年前のフライフィッシング用リールケース修理です。
尾錠金具(バックル)が取れてしまったとこのと。
手に入れる前の所有者の人が、自分で直したのかベルトが付け替えられていたんですが、革が厚すぎてバックルに上手く入らず、力を入れたら尾錠が付いていた革が切れてしまったそうです。
このケースだけでも価値があるものなんだそうです。
HARDY BROSというブランドです。

修理に関しては、ごく簡単な物くらいしか出来ないんですよ。
内張りの兼ね合いもあってバラさなきゃいけない物が多く、お客様の予算の関係もあって。

よっぽど思い入れが強い物でないと。
今回も現物を拝見させて頂いた上で、1度お断りしました。
以前に修理したカメラケースもそうですが、特殊なミシンで縫製されたつくりで(拝み合わせ縫といいます)
革の状態も100年前にしては良いとはいえ、内張を外さないと行けないし、作業中にふたの部分がいつ切れてもおかしくない状態でした。

はっきり言って自信無かったです。
上手く出来る保証も無いし。

でも、他に頼めることが無いというお客様の熱心さに後押しされて、相談を重ねた上で、一部仕様を変更してチャレンジしてみることにしました。

最初、チョコ色のアニリンレザ-を合わせる予定だったんですが、何か
「取って付けたような感じ」
がして、変なんですよ。同じタンニンなめしの革とはいえ。

これじゃ、お客様と100年間生き残ってきたケースにも申し訳ない。

で、昨日の夜にそのケースとよく「お話し」してみました。
この「お話し」という表現、気に入ってるんです。

会社員時代に本社から遠く離れた小さな営業所で3年半の間、所長をしていたことがありました。(今思えば、とんでもない所長だったんですが......)
ジュースの自販機は大きく分けて缶やペットボトル、紙パック飲料が入っている「出来ている物をそのまま搬出」する機械と紙カップにコーヒー等を「調理」する自販機があります。

その、紙カップの機械は保健所の食品衛生許可証の扱いでは「喫茶店営業」の許可が必要なんです。(ちょっとまめ知識)

紙カップの自販機は機構が缶のタイプに比べると複雑でトラブルも原因がつかみにくいんです。
故障の対応をして原因がよく分からなくても本社の機材課から遠いため、すぐに応援が来る
ことも出来ず、ある程度現場で対応しなくてはなりません。
その本社機材課の課長が職人気質で私はとても好きでした。

その課長に電話で故障の症状を伝えると、「飯塚、よ-く機械とお話ししたか?」と言われました。
「機械は正直だ。経路をちゃんと辿っていくと原因が必ずある」と言われ、物と「お話」する術を身につけました。

ケースとお話しした結果、キャメル色の革をベースにオイルを入れながら揉んだり延ばした洗ったり乾燥させたりしながら100年分の味を出してあげることにしました。
糸も生成りの麻糸では白すぎるため、ウーロン茶と一緒に煮だして染めてあげることに。
復元作業をしているみたいで楽しかったです。
で完成したのがこの素材です。

hardybros2.jpg

右が加工前、左が加工後です。
深みのある色と質感になりました。
オイルを入れることにより、耐久性も増します。

hardybros3.jpg

完成したケースはこんな感じです。
結構馴染んでるでしょ?
底部の内張もワインのSUEDE張りにしました。
外周部分は縫製を外せないので、側面とフラップ部分は今まで通りです。

このケース、あと何年生きていてくれるんでしょう。
良かったね!
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